【広島弁98】「つっぺ」 貸し借り無し、プラマイゼロ、ちゃら、引き分け
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広島弁備後弁の女子言葉編 |
名文備後弁訳 編 |
広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座98
【つっぺ】 貸し借りなし、プラマイゼロ、ちゃら、引き分け
【つっぺ】
これは子供のころ頻繁に使用していた、なんとも変な響きの言葉です…。
【つっぺ】…。
子供のころ使っていた、と書きましたが、もちろん青年~大人になってからも使う言葉です。
ただ、なんというか、大人になるにつれ『ちゃら』とか『プラマイゼロ』とかの標準語?に移行していったように思うのです。
「そりゃあ、もう、ちゃらでえかろう」
ってな言い方を意識してするようになると、なんか子供から卒業した気分?なのです。
これを、
「そりゃ、もう、つっぺじゃ」
と言うと、いつまでも子供じみているというか、田舎じみているというか…そんなふうに感じてしまい、備後人は、ある年齢の頃に【つっぺ】から、半ば意識的に卒業するのです。
広島弁(備後弁)には強い誇りを持っており、標準語などを使う気分などない人でも、この【つっぺ】に関しては、どうにも小中学校まで…というような雰囲気があるような気がしたりします。
これは、あくまで私個人の感覚であって、他の広島県人に当てはまるものではないと思いますし、大人だろうが女性だろうが、使って『おかしい』わけではないのですが、すごく『強烈なローカル感』が出てしまう感覚がするのです。
もちろん、使用を完全にやめるわけではなく、大人社会の組織などの『公の場の言葉』としては【つっぺ】が、なんとなく使いづらくなるという程度のことなのですけど。
「そういういたしゅうて高いとこに置くけぇ、のっても見えんし、たわんのじゃ。おまぁの考え方がいちがいでこすいけぇ、そが~に、いなげなことになるんじゃ。ほんま、ふうが悪りぃのう。なんぼ、はぶてて、おらんでも、わしゃ、もう、いぬるけぇ、もう水なしで、それをいなせぇ。いなせんかったら、ねぶっとけぇ。もう、かもうたらん。おい、さばらんといてくれ。じんじょして反省せぇ。ありゃ? 何かはさっとるんか、それとも戸がひわっとって開かん。無理に開けよう思うたら、スイバリが立ったわ。抜こう思うたら、いらいすぎて擦れてはしるのう。はぁ、えろうてかなわんけぇ、椅子に座ったら、めげて、へちゃげたのう…」
これくらいの広島弁を平気でしゃべっても、【つっぺ】は使わなくなってしまうのです。
ですから、私はこの【つっぺ】という、方言らしくて特徴がある言葉をすっかり忘れてしまって、98番目に紹介することになったほどです。
標準語 | 広島(備後)弁 |
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貸し借りなし プラマイ・ゼロ ちゃら |
つっぺ |
引き分け | つっぺ |
<会話例1>
標準語 広島備後弁 |
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購買のメロンパン、今日は買えたわ。 ↓ 購買のメロンパン、今日は買(こ)うたんよ。 |
半分、わけてよ。 ↓ 半分、くれん? |
いいわよ。でも、これでこの前の焼きそばパンをもらったのは、チャラよ。 ↓ ええよ。じゃけど、これでこの前の焼きそばパンをもろうたんは、つっぺじゃけね。 |
<会話例2>
標準語 広島備後弁 |
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君は昨日、オレだけに残業させただろ! ↓ おまぁ、昨日、わしにだけ残業させたじゃろうがぁ! |
ごめん。次はオレが君の代わりに残業するから、それでプラマイゼロにしようよ。 ↓ すまんのう。次にゃ、わしが代わりに残業するけぇ、そんでつっぺにしょうや。 |
<会話例3>
標準語 広島備後弁 |
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面子(めんこ)して、遊ぼうぜ。 ↓ ぱっちん、しょうや。 |
おまえ、わりと強いじゃん。これは引き分けってとこか。 ↓ おまあ、まあ強えのう。こりゃ、つっぺじゃ。 |
<注> 一つの試合などが『引き分ける』というのではなく、賭け事や何回も対戦するゲームのようなもので、お金や点数や勝敗のやり取りが何度かあって、結局最終的に差がないときに、【つっぺ】となるのです。 |
はにれた【備後弁まんが】 |
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