【広島弁09】「すいばり」 (指などに刺さる)木の小さいトゲ
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広島弁備後弁の女子言葉編 |
名文備後弁訳 編 |
広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座09
【すいばり】 (指などに刺さる)木の小さいトゲ
今日の凶悪犯罪、『解体物件専門材木商殺人事件』のクライムシーン(犯行現場)が、材木置き場だった。
どうやら、質の悪い中古材木を新品と偽って販売し、誰かに恨まれての凶行らしかった。
鑑識との犯行現場での捜査中に、木材の下に何か見つけたので、その木材を移動しようとしたら、木の表面のささくれたトゲが指先に刺さったんだ。現場保全のために手袋はしていたんだが、薄いビニール製だったから、突き通っちゃったよ。
「うわぁ痛~い!すいばりが立ったぁ!」
と思わず叫んだら、いつものごとく、みんな、
「…スイバリ?」
って怪訝な顔。いやんなっちゃうなあぁ。
現場指揮官(ボク)の主原語である『備後弁(広島弁の仲間)』を勉強しておけって、思うよ。
捜査中に、
「すいばりってのはねぇ、つまり…」
なんて説明してられないよ。捜査が滞ってしまうじゃないか。
自然木でも【すいばり】は刺さることはあるけど、やっぱり荒い仕上げの木材や古くなった木製品の表面の、ささくれ立ってるようなところに触ってしまうと、【すいばり】が刺さるよね。
「タマ吉警部、どうやら凶器は胸に突き刺さっている木の杭のようです」
と、今年首席で警察学校を出た部下(※私に憧れて我が課を希望し配属)が言う。
「う~ん、被害者の胸に刺さっているんだから、言われなくても、そりゃそれが凶器だろう」
と、考えるのは、二流の探偵だ。
「よく見たまえ! 本当の凶器は、あそこに落ちている金づちだ! 被害者は頭蓋骨を割られて死んだんだ。犯人が捜査をかく乱するために、心臓に【巨大なすいばり(木の杭)】を打ったのさ」
「さすが、警部! で、どうして心臓に杭なんでしょうか?」
「被害者がドラキュラだと我々に思い込ませて、捜査の範囲を日本だけでなくルーマニアのトランシルバニアまで広げさせるためだ!」
(まさか…それはないだろう)
さて…、【すいばり】の先が少しでも皮膚の表面から出ていれば、ピンセットで抜けるんだけど、だいたいは皮膚組織の中に埋まってしまってる。
そういうときは、裁縫針の先を殺菌のために火であぶってから、その針先で【すいばり】の先っぽをほじくり出すんだ。【すいばり】の先っぽが見えたら、ピンセットで抜けるからね。
細くてもろい【すいばり】のときは、その先っぽがちぎれてしまって、大部分が皮膚の奥に残ってしまうんだよね~。
そうまでまっちゃうと、裁縫針でもっともっと奥まで、ほじくらないといけない。
あれって、痛いんだよねぇ。
標準語 | 広島(備後)弁 |
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トゲが刺さる | すいばりが立つ |
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