【広島弁38】「じんじょ、おじんじょ」 正坐
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広島弁(安芸~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座38
【じんじょ、おじんじょ】 正坐 …ほぼ「死語」?
今回は、【R姫】が、ナビゲーターを務めます。
さて、今回の【じんじょ】。標準語では、正坐。
れたすはうす内の『広島備後弁検討委員会』でも、議論沸騰でした。
というのは、この【じんじょ】を使っている人が備後地方、広島県内、その周辺地区に存在しているのか、自信がないからです。
ネット検索してみると、1件だけヒットしました。
そこでも、
「子供のころ、百歳近くのおじいさんが使っていたような…」
というような記述。
そこでは、【おじんじょ】となっておりましたが、同じでしょう。
我が家の執事によれば、
「子供の時に、普通に使っていた。今はもう、長く都内在住だからわからんけど…」
とのことです。
執事が、
「年齢がばれるから、いつごろかは言わない!」
と、わけのわからない個人情報保護を主張しているので、詳しい時期は分かりませんが、ウン十年も前のことでしょう。
ネット検索で、ほとんどヒットしないということは、もう『死語』なのでしょうか。
あとで、知り合いの備後在住者の方々(のごく一部の人)に訊いてみますけど、この項は、その情報抜きで、いったん書いてしまいます。
【じんじょ】とタイプして漢字変換すると【陣所】と出てきます、
一説には、
『武士たちが作戦会議をしている場所(陣所・陣屋)での座り方から』
というのがありますが、どうでしょう?
この説は、「そうなのかなぁ」と思うと同時に、私には、なんか違和感があります。
というのは、映画やドラマで、武士が正坐をして陣屋にいるのを見たことがありません。
戦いの場で、足がしびれては、どうにもならないでしょう?
だから、戦の場では、武士は胡坐(あぐら)か、畳床机(たたみしょうぎ)に座っています。
ですから、陣所・陣屋で、【じんじょ(正坐)】をしていたとは思えないんです。
専門家じゃないので、はっきりとは言えませんけど、武士も戦場でないなら、安土桃山時代あたりから、正坐するようになります。
茶道の影響なのか、殿中での礼儀作法が整ったからなのか、その両方なのか…。
【じんじょ】の語源も定かでなく、【じんじょ】という言葉そのものも死語扱い?
けれど、これがれっきとした備後弁である(あった)ことは確かでしょう。
(その後、備後人の現地組、首都圏移住組、遠く海外赴任組…に問い合わせたところ、半数から、「子供のころ普通に使用していた」との証言を得ました。ただ現在の備後地方及びその周辺での使用状況は、まだ不明です)
標準語 | 広島(備後)弁 |
---|---|
正坐(する) | じんじょ(する) おじんじょ(する) |
<会話例1>
標準語 広島備後弁 |
---|
そういうイタズラばかりするなら、正坐させようかしら。 ↓ そげな悪さばかりしとったら、じんじょさせよーかね。 |
今は、そういうの体罰だから、できないよ~。 ↓ 今は、そげなことは体罰じゃけ、やれんよ~。 |
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