【広島弁72】「はさる、はせる」 挟まる、挟む

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
広島弁備後弁50音順一覧へ
広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座72

【はさる、はせる】 挟まる、挟む

 

今日は、【ポリリン】が担当するよん。

 

挟まる、挟む】(はさまる、はさむ)。

 

これが、備後弁では【はさる、はせる】になるんだけど、音韻の変化がなんでこういうふうになったんだろうねぇ。

 

奥歯にものが挟まったような… → 奥歯にものがはさったような…

別資料を、挟む。 → 別資料を、はせる

となるんだよね。

 

他動詞は『はxxx』、自動詞は『はxxx』となってるんだ。

 

広島(備後地方)でも、『挟み撃ち』を『はせ撃ち』とは言わない。

やっぱ『はさみ撃ち』と言う。

『挟み将棋』も、『はせ将棋』とは言わない。

 

(※上記の『はさみ』は『はせ』としか言いようがない感じなんだ…たぶん。 → 下記の活用表参照)

 

『挟む』は『挿む』という漢字もある。

これは漢字辞典で調べてみなければ…。

 

』は、何かに両側(前後左右上下)から働きかける(押さえる、支える、つつく)…という意味だってさ。

 

』は、何かと何かの間に何かを入れる。何かが入る…という意味。

 

ん~、すると自動詞のほうの漢字は『挿む』だけってことになるの…かな。

 

このあたりは、国語学者じゃないし、漢字学者でもないから、ちょっと調べただけじゃ何とも言えないから、深入りは避けようっと。

 

なんにしても、

はさまる→はさる】【はさむ→はせる

って、なんか変な言葉だなと思うんだ。

 

標準語
(他動詞)
広島(備後)弁
はさむ(挟む) はせる
はさまない はせん
はさんだ はせた
はさまなかった はせなんだ、はせんかった
はさめ はせ
はさむな はせるな、(はすな)
はさみたい はせたい
はさみたくない はせとーなぁ
はさめる はせれる
はさめない はせれん
はさんでくれ はせてくれ

 

標準語
(自動詞)
広島(備後)弁
はさまる(挿まる) はさる
はさまらない はさらん
はさまった はさった
はさまらなかった はさらなんだ、はさらんかった

 

<会話例1>

標準語
広島備後弁
この書類は、この書類とこの書類の間に、挟んでおいてくれと言ったでしょ。
          ↓
この書類は、この書類とこの書類の間に、はせといてくれんと言(ゆ)うたでしょ。
なんかこう形も大きさも違うので、ちゃんと挟めなかったのよ。
          ↓
なんかこがーに形も大きさも違ごうとるけぇ、ええようにはせられんかったんよ。
会議が始まるよ。早く資料全部に、それを挟んで!
          ↓
会議が始まるねぇ。早う資料全部に、それをはせて

 

<会話例2>

標準語
広島備後弁
さっき、歯にネギがはさまってたわよ。
          ↓
さっき、歯にネギがはさっとったよ。
そうかぁ。何かはさまってる気がしてたのよ。
          ↓
そうなんよ。何かはさっとる気がしとったんよ。

 

<会話例3>

標準語
広島備後弁
パンにチーズを、はさむことができる?
          ↓
パンにチーズを、はさめられる?
簡単だよ。はさめる
          ↓
みやしいで。はさめられらぁ

 

はにれた【備後弁まんが】
三原三万石
やっさだるマン
タカカゲくん

<--前 Home 一覧 次-->

<スポンサーリンク>

2018年10月09日