【広島弁89】「こなくそ」 ちくしょう!、このやろう!、頭くるぅ!
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広島弁備後弁講座89
【こなくそ】 ちくしょう!、このやろう!、頭くるぅ!
瀬戸内の沿岸都市育ちの【れたす】が、解説を担当します。
【こなくそ!】
(ちくしょう! この野郎! なんじゃこりゃ! etc.)
最後のほうに理由を述べますが、おそらくこれは『海賊(村上水軍)言葉』でしょう。
文章で書くときは、『ビックリマーク付き』でないと、言ってる人の強烈な憤りが伝わらないですね。
昔は普通の感情表現の言葉だったのでしょうけれど、なんというか、私には『チンピラが使うような汚い言葉のようなイメージ』がありますね。
だから私は、この言葉を使ったことがありません。
とはいえ、私の父(※カタギ)は、よくこの言葉を発していましたけどね。
私の父に限らず、私の幼少のころ(およそ半世紀前)には、頻繁に大人が使っていました。
ほぼ男性限定の、いわゆる『汚い言葉』です。
アメリカン・プロレスを観ていると、半数以上の選手がタトゥーをしています。
上半身全部タトゥーって選手も多いです。
タトゥーというと淡い語感ですけど、刺青(入れ墨)ですね。
刺青というと、日本では伝統的に、今でも『恐い方々』のイメージがありますよね。
若い人には、そういう感覚は希薄になっているようですけど、まだまだですね。
ここで紹介している広島弁(備後弁)に、時に(常時?)「怖い」というイメージがあるのは、昔の任侠映画のみならず、現在のそういう類の作品でも、演出上の怠慢と思いますが、なぜか刺青満載の怖い人々は広島弁もどきをお使いになるからで、ネイティブ・スピーカーの私どもとしては、
「う~ん」
です。
困ったものです。
さて、私が育ったところでは(に限らず?南方文化圏でもある日本の昔には)、刺青をした方は珍しくありませんでした。
銭湯などでは、必ず見かけたものです。
(関東以北は、ちょっと違うのかな? どうなんだろ?)
重要なので言っておきますが、刺青をしている人が市中で暴れるのを見たことはありません。
たいがい、あばれるのはチンピラで、刺青はしていませんでした。
(※私の個人的経験知見の範囲での思い込み)
任侠映画で、刺青をした登場人物の方が、
「こなくそ!」
と言うと怖いですよね。
しかし…備後弁の【こなくそ!】は、そういうコワモテ業界用語ではなく、一般言葉なのです。
(※ほとんど死語なので、「でした」ですね)
ところで、ネットなんかだと、この言葉は『伊予松山弁』と書かれていることが多いです。
私は子供のころ、ときどきフェリーに乗り、今治に遊びに行きましたから、伊予(愛媛県)には親しみと馴染みがあります。
昨年、仕事で松山に行きました。来月も行きます。
伊予松山は、世間のイメージでは『温暖なところで蜜柑を食べながら、穏やかな気質の方々が俳句を詠んでいる』
というもので、対岸の広島のヤンチャなイメージ(※偏見!)とは、まったく相いれません。
私が思うに、【こなくそ】は『瀬戸内海賊の言葉』だったのでは?、ということです。
命知らずの彼らなら、フンドシ一丁で船首に仁王立ち!
う~ん、そういうドギツイ言葉が似合いすぎます!
私はやっさだるマンの故郷の沿岸都市・広島県三原市育ちで、瀬戸内水軍の血も数%は受け継いでいるはずです。
とにもかくにも、もはや松山あたりと三原市は、海という視点から見れば、まったくの同一エリア。
そう、そういうわけで【こなくそ】は、村上水軍エリアの海の勇者の言葉なのです。
きっと!
たぶん…。
おそらく…。
標準語 | 広島(備後)弁 |
---|---|
ちくしょう あったま、くるぅ! この野郎! なんじゃこりゃ! |
こなくそ! |
<会話例1>
標準語 広島備後弁 |
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どうして、こうなるんだぁ! お前、どういうつもりだよぉ! ちくしょう!あ~、腹立つ! ↓ こなくそ! |
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