【広島弁88】「知ったげ」 知ったかぶり

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
広島弁備後弁50音順一覧
広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座88

【知ったげ】 知ったかぶり

 

これは、まさしく相手に対して『気にいらないわぁ!』という悪感情をいっぱい持っているときに使う言葉ですね。

 

知ったげな(こと、ゆうのう)…」

とは、言葉変換だけだと、

知ったかぶりして(しゃべってるなぁ)…」

ということなんですけど、広島県(備後)人が、これを自分にではなく相手に使う場合は、だいたいが、

わかってもないことを、さもわかったように言ってる。生意気だ。気に食わない! 何様のつもりだ!」

という嫌悪感を(いっぱい…時に最大限)含んでいます。

 

ですから、この言葉は広島県においては、『罵(ののし)り言葉』と定義しても、よいかと思います。

 

単なる一般知識不足や勘違いでの【知ったかぶり】という意味で【知ったげな】を使うのではなく、

「おまえは、自分のこと(能力、性格など)をわかってないし、自分が言っている内容(が、いかにTPOに外れていて他人の気分を害しているか)もわかっていない馬鹿者で、てんで話にならない!」

ということなのです。

 

要するに、

自分勝手に自分の都合だけを押し出していて、客観的な視点がなく、周囲の人間感情についての考慮というものもない

ということを、

知ったげな!

という一言で表しているのです。

 

もちろん、ちょっとした忠告で、

知ったげなこと、言(ゆ)わんといて。(知ったかぶりは、よくないよ)」

と言うことはあります。

 

が、こういう軽いような言い方の場合でも、相手の言葉の中に、

知ったげ

という単語が入っていると、それを聞いた側は、

「あっ、いけん。わやじゃ。もんげぇ怒っとる。(あっ、まずかった。やっちゃった。完全に気分を害してる)」

と、広島県人(備後人)は感じて、深く自省するはずです。

 

いなげなこと言(ゆ)う」

いちがいなヤツじゃ」

じゅんならんのう」

知ったげな」

などと続けば、次は、

ぶちまわすでぇ!」

でしょう。(たぶん)

 

標準語 広島(備後)弁
知ったかぶり 知ったげ
知ったかぶりな
わかってないのにわかっているような態度をする
知ったげな

 

<会話例1>

標準語
広島備後弁
あいつ、(本当はわからないくせに)わかったような言い方するよなぁ。
          ↓
あんなぁ、知ったげなこと、言(よ)うる。

 

<会話例2>

標準語
広島備後弁
おまえに、何がわかる!黙ってろ!
          ↓
知ったげなこと、言(ゆ)うな!

 

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2019年06月30日