【広島弁67】「おいい」 「おおいい」 多い
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広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座67
【おいい】【おおいい】 多い
本日も、当サイト主宰者の【れたす】が担当です。
【おいい】。
不思議な言葉です。
もちろん、【多い】ということです。
が、『おおい』ではなく、『おいい』。
なぜ、『お』が『い』になってしまったのか?
広島県人、備後人(周辺地域同種方言)の方々は、標準語をしゃべっているつもりのときでも、無意識に
『おいい』と言って自分では気づいていないのでは?
また、【多い】が日常語の方々も、備後人が無意識に『おいい』と発音しているのを聞いても、音声が脳に到達したときに『多い』と自動変換して処理してしまっているのでは?
広島出身者が、テレビなどで怪しいイントネーションながらも、ちゃんと標準語を話しているのだけれど、
「そうなんですよ。そういうのがおいいんですよ」
と言っているのを、よく聞く気がします。
備後人(広島人)ならば、小学低学年の時に、『多い』という漢字に読み仮名をふるとき、
と書いて、何とも思わなかったはず。
そして採点する国語の先生も、そのまま丸をつけた…はず。
かなり無理のありそうなキラキラネームが役所で受け入れられるのは、漢字と日本語の基本的な関係性として、『もともと漢字の訓読みは、訓読み言葉の定義が同じであれば、どう読もうと自由』だからです。
なぜ自由かというと、たとえば『牛』という形の漢字(象形文字、表音文字、中国語)が表しているのは『うし』とか『べこ』とか言い方が異なっても、その言葉が指し示しているのは『哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ウシ亜科の動物』のことだからです。
ですから、『多い』に『おいい』と読み仮名をふっても正解のはず。
(※実際は、間違いとなるんだろうけど…方言差別というより、何が正解かわからなくなるから、一応標準語基準ということ・・・でしょう → 地方差別の根深い遠因?)
やはり、方言というか言葉の謎は、おいいです。
標準語 | 広島(備後)弁 |
---|---|
多い | おいい |
<会話例1>
標準語 広島備後弁 |
---|
これはまずいぞ。明日の試験までに丸暗記する項目が、すっごく多い。 ↓ こりゃいけんわ。明日の試験までに丸暗記する項目が、もんげぇおいい。 |
あらまあ、憶えなきゃならないことが多いなんて…いまさらお言いですの。 ↓ あらま。憶えんといけんことがおいいなんて…いまんなって言(ゆ)うん。 |
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