【広島弁66】「びっしゃこ、びっしゃんこ」 びしょ濡れ

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
広島弁備後弁50音順一覧へ
広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座66

【びっしゃこ、びっしゃんこ】 びしょ濡れ、ずぶ濡れ

 

本日は、『ツキは持っていないけど楽天家』の【れたす】の担当です。

 

びっしゃこ】は【びしょ濡れずぶ濡れ】。

 

普通は傘を持ってなくて、強い雨に降られて下着まで濡れそぼって、水が体からしたたり落ちている様子を言いますが、海やプールに落ちてしまったような場合でも使います。

 

また、川を歩いて渡ったようなときに、腰から下、あるいはスネから下だけが濡れてしまっても使えます。

 

ようするに全身でなくて、体の一部だけが濡れていても…(ただし液体がびしょびしょにしたたっている必要あり)、【びっしゃこ】と表現します。

 

たとえば、片方の靴だけが、水たまりにハマってしまったときでも、その片足(足首から下)は、【びっしゃこ】になっているということです。

 

ただし、文章で使う場合や電話などでの会話では、

「下半身が、びっしゃんこじゃ」

とか、

「膝から下が、びっしゃこになってもうた」

などと、濡れている部分を明示する必要があります。

 

濡れた様子がわからないときに、たんに、

びっしゃこ

とだけ言うと、聞いた相手の頭の中では『全身が、ずぶ濡れの姿』を思い描くと思われます。

 

それと、身体でなく『物』だけの場合でも使います。

「帽子が風で飛ばされて池に落ちて、びっしゃこや」

などです。

 

標準語 広島(備後)弁
びしょ濡れ
ずぶ濡れ
びっしゃこ
びっしゃんこ

 

<会話例1>

標準語
広島備後弁
超感動する映画を観たのよ。涙が止まらなくて、服が胸あたりまでびしょ濡れになったわ。
          ↓
ぶち感動する映画を観たんよ。涙が止まらんようになって、服が胸んとこまでびっしゃこになってしもうた。
ボクなんか、超怖いホラー映画を観たから漏らしちゃって、下半身がずぶ濡れになったよ。
          ↓
ワシなんぞ、もんげぇ怖ぇホラー映画を観たけぇ漏らしてもうて、下半身がびっしゃんこになったのう。

 

<会話例2>

標準語
広島備後弁
あ~雨が降ってるわ。洗濯物がびしょびしょ
          ↓
あ~雨が降っとる。洗濯物がびっしゃんこ
あらあら、(猫の)タマも、ずぶ濡れで帰ってきたよ。
          ↓
ありゃぁ、(猫の)タマも、びっしゃこいんどる でぇ。
【注】※参照【いぬる】
ここでの『いんどる』は、やや特殊な言い回しです。
『いんどる』は、『(ここから自分の戻るべきところに)帰っている、帰ってしまった』という意味で、『(帰ってしまったから)もう、ここにはいない』ということになるのですが、そのときの微妙なニュアンスで、『いんどる =(ここに)帰ってきている』という意味も表すことがあります。

 

はにれた【備後弁まんが】
三原三万石
やっさだるマン
タカカゲくん

<--前 Home 一覧 次-->

<スポンサーリンク>

2018年10月02日