絶世の美女は、トランスジェンダー [1]
絶世の美女は、トランスジェンダー (1) | |
先日、テレビでLGBTの番組があり、ヨーロッパのどこかの国の老婦人が、自分がレズビアンであることを告白している場面があった。 それを見ていて、私はある人を思い出した。 私がときたま派遣で働いていた時に出会った美青年(遺伝子的には女性)のことである。 彼女(彼)は、レズビアンではなく、バイセクシャル・トランスジェンダーだった。 フリーランスのプログラマーである私は、数十年間、自分で仕事を取ってきて自宅で仕事をしているが、ときたま(全体の2割くらい)、数か月から1年程度の出稼ぎに行く。 自宅で一人でできる仕事が絶えずあるわけではないし、会社組織で働くと、新情報、新技術、新技法、新ソフトなどの情報が得られるからである。 外の組織で働けば、新たにいろんな人に会う。 私が、30歳半ばのころのことのことだった。 その派遣先で私の世話役だった20代前半の小柄な彼女(Aさん)を見たとき、 「これは美しい」 と、私はすご~く驚いた。
「ふ~む、こんなに綺麗で可愛い人も珍しい…」 芸能人を実際に見た経験はほぼないが、女優、アイドル、モデル…誰にも負けないんじゃない? そんな感じであった。 (もちろん、こういうことは好みの問題なので、みなさんはそれぞれ自分のタイプの美女を思い描いて読んでください) 「ここがあなたの席」 「彼がチームリーダー」 「ここが共用フォルダ」 「ここにサーバーがあって…」 「メールアドレスは担当が設定しています」 「いっしょにやってもらうのは、この仕事で、これが資料です」 などと、午前中はいろいろと彼女の案内を受けたり、自分の机上を整えたり、自分用のパソコンの設定をしたりした。 そして、昼休み。 「お店とか知らないでしょうから、今日は私と食べましょう。何が食べたいですか?」 と、Aさん。 「なんでも」 「じゃあ裏メニューの海鮮丼でいいですか」 「うん」 その会社は山手線JR駅の近くにあり、外は繁華街。 Aさんは会社から数分のとこにある居酒屋に、私を連れて行ってくれた。 店内のテーブルはいっぱいで、私たちはカウンター席に座った。 「ここは夜が本業の居酒屋なんですけど、ランチだけやってます」 「なるほど」 すぐに、コストパフォーマンス満点の海鮮丼が目の前に。 「すごいじゃん」 「そうでしょ」 パクパクパク。おお、うまいぞ。 私は美味しい海鮮丼にしばらく夢中になっていたが、カウンターのすぐ隣に座っているAさんのほうを向き、 「この白い刺身は…」 と話しかけた。 ん? えっ? げげっ! 隣りで、すごい可愛い美人(服装もキュート)のAさんが、海鮮丼をガツガツをかきこんでいる。 かきこんでいる…。 そう、食べているのではなく、かきこんでいる。 もちろん、女性でもどんぶりを片手に持ち、片手で箸をカシャカシャ動かし、豪快に食べる人はいる。そういう人を私は何人も見てきた。 女性が丼をかきこんだって、そんなことで、べつに驚きはしない。 が、彼女(Aさん)は、違う…。なんか違う。 今まで見てきた女性の食べ方と、まったく質が違う。 なんと表現していいかわからないが、何かが違う。 そう…。隣りにいる、この人は…食べているときのしぐさが、まるっきり男性だった。 | |
(このお題、つづく) |
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