米軍の空爆 (妻よ、キミは正気か?)

米軍の空爆

ある日、テレビニュースを見ていた妻が、
「ん~?」
という顔をして画面に見入っていた。

そのニュースは、アメリカ軍(あるいはNATO軍?)が空爆をしているというレポートだった。
時おり起こる痛ましい悲劇をレポートしている内容で、誤爆により一般人や子どもたちが死んだという内容だった。

ニュースが終わった後、妻がいかにも怪訝そうに言った。
「ずっと前から不思議に思ってるんだけど、どうして空爆で建物が壊れたり、人が死んだりするのかしら?」

んん??
私は妻が何を言っているのかわからなかった。

空爆すれば地面には穴があき、建物は崩れ、人々は死ぬだろう。当たり前ではないか。
悲惨な話だが、【そういう目的】で空爆は行われるのだ。

「空爆って、どういう仕組みになってるの?」
と、妻は首を傾げる。
「強力な超音波なの?」
とか言ってる。

いったい…なんのことだろう?

「爆弾を落とせば爆発してああなるだろう。あたりまえじゃないか」
と、私が言うと、妻はさらに怪訝そうに私の顔をまじまじと見て言う。
「爆弾?爆発?それって、音爆弾?」

音爆弾?
私の妻は、何を言っているのだ?

「音爆弾って何だ?」
「だって、空爆でしょ?」
「…?」

    (しばし、二人は沈黙…)

「あ!」
もしかしてだが…。
私は、ひらめいた。

「それは…空砲っていうような意味ってこと?」
「空砲と空爆は違うの?」
「げげっ!」

よくよく聞いてみると、妻はずっと【空爆】を、
「ジェット戦闘機が空から空砲を撃って、その大音響で敵を脅かし不眠症にする、一種平和的な攻撃」
(意味わからん…) だと思っていたのだ。

【空砲の大音響でのイヤガラセ…という平和的な攻撃】にもかかわらず、強烈な音波で建物が破壊され人が殺される…。
「それは、おかしい!」
と妻は常々不審に思っていたのであった。

おかしいのは、きみだ。

ん~、ほんとかよ…。
(本当の話です)

(このお題、完)


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2018年11月01日