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れ=れたす、G=ゲスト |
れ |
【そんたく】で思い出しちゃいましたが、今日はご家宝である【銅鐸(どうたく)】と【三角縁神獣鏡(さんかくえんしんじゅうきょう】をお持ちくださっているとか? |
G |
ええ、重量文化財なので、勝手に持ち歩くと国から叱られるかもしれないんですが、持ってまいりました。これです。 |
れ |
おおっ! |
G |
ちょっと珍しい紫の色味が出ている銅鐸なんです。
銅鐸は多数出土していますが、このズングリした形で紫色のものは世界に一つで、国宝級の物です。 |
れ |
ほう、国宝級ですか!
実に美しくて、みごとなものですねぇ。
ちょっと、手に取って触らせていただいてもいいでしょうか。
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G |
まあ、少しだけなら。
ほんらいは、触り料金1回千円なんですが、今日は無料にしておきます。 |
れ |
有料…? |
G |
ジョークですよ。 |
れ |
お、重いですねぇ。さすが重量文化財! |
G |
中身は純金100%です。
だから重いんです。
あなたになら特別に売ってもいいですよ。内緒で、安く。 |
れ |
…。
おや、なにか書いてありますね。
『ハニー鋳物製作所・謹製・平成29年吉日」…。
ん、本物じゃないの? え、なにこれ…。 |
G |
あ、しまった。(舌打ち!)
間違えて、試作品を持ってきちゃった。 |
れ |
試作…? |
G |
あはははは、ちょっとすっごく急用で大事な用事を思い出したんで、これで失礼します。
じゃあ、また。 |
れ |
え、帰るの?
あ、あの、ちょっと…。
この手口は、『東日流外三郡誌』的なやつ…。
あなたも、古代史詐欺なの?
信じてたのに…。ねぇ、ちょっとぉ。
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