【広島弁93】「ごろひく(ごろをひく)」 ①いちゃもんつける ②喧嘩する・暴れる ③駄々をこねる

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
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広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座93

【ごろひく(ごろをひく)】

 ①いちゃもんつける ②喧嘩する・暴れる ③駄々をこねる

 

今日の担当は、管理人の【れたす】です。

 

ごろ(を)ひく】…。

この言葉、すっかり忘れていたのですが、テレビドラマを観ていると、チンピラがスナックで酔っぱらって、グダグダと喚きながら暴れていました。

 

そして私は無意識に、思わず、

「おお、ごろひきょ~るのぅ」

と、口走っていたようです。

 

それを聴いた東北地方出身の妻が、ポカ~ン…。

「なに、それ?」

と、怪訝な顔をしておりました。

 

私は、はっと我に返り、

「そうか、これは方言だったな…」

と気がつきました。

 

しかし、関東移住以来、おおよそ使うことを忘れていた、この言葉…。

もちろん、備後に生まれ育った私は、この言葉を日常的に頻繁に使用していたことは間違いないのですが、無意識に数十年ぶりに出てきた言葉なので、なにかモヤモヤした感じ…。

 

こういうときは弟や、同窓生仲間に確認をするのが一番です。

さっそく、メールやLINEで、質問してみよっと。

 

私の感覚での、この言葉の意味は、

イチャモンつけて、暴れる】ようなイメージの言葉。

 

LINEの同窓仲間複数人(女性)の反応は、

「暴れるというより、子供が駄々をこねて、はぶてて、泣いて、手がつけられないみたいな感じ」

 

ああ、そうか。そういうようなときにも使ってたな。

でも、私の感覚では、子供うんぬんより、大人に対するイメージのほうが強い。

子供が駄々をこねて泣いているのは、副次的な『応用編』のような…。

 

そこに、弟からメールの返事が。(弟はLINEが嫌い)

「かあちゃんが、店(母のやっていたお好み焼き店。ビール、日本酒も出していた)をやっとったころ、

『うちは酔っぱらいは好かん。あれは往生する。酔っぱらいはごろをひくけぇダメじゃあ。じゃけぇ、店をやっとっても酒は出さんようにした』

と、言うとった」

とのこと。

 

そう、やはり【ごろ(を)ひく】は、大人に対するもの。

 

とはいえ、たしかに。

子供が言うことを聞かず、はぶてて駄々をこねる

という使い方もしていたよなぁ…。

おふくろに、私自身が、そう言われていた記憶も、たしかにある。

 

ネットで調べても、【ごろひく】が、方言として載っていない…。

 

が、あった!

ごろまく(ごうまく)】と同義、と。

『曽我物語』の曽我五郎から出てきた用語だと。

五郎は、荒っぽい言動がステキな好漢!

 

その五郎が出てくる幕…で、【ごろまく⇒ごろひく】らしい。

よく見るでしょ。歌舞伎で、このキャラ。

 

 

確かに、これなら【ごろひいて】そうだぞ。

これじゃ、ちょっと格調が高すぎるけど。

 

こういうこと、調べると面白いときがあるなぁ。

 

標準語 広島(備後)弁
①いちゃもんつける
②喧嘩する、暴れる
③駄々をこねる
ごろひく
上記①②③のような人 ごろひき

 

<会話例1>

標準語
広島備後弁
どうして、そんなに言うことをきかないで、駄々をこねてるの?
          ↓
なんで、そが~に、ごろひいとるん?(ごろひきょーてん?)

 

<会話例2>

標準語
広島備後弁
あの人、昨日もここに来て、文句ばっかり言ってたわ。あんなに、めんどくさい人は珍しいわね。
          ↓
あの人、昨日もここに来て、ごろひいとったんよ。あげなごろひきは、おらんわ。

 


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2019年09月26日