【絵馬010】 銀行強盗が成功しますように!
<今日のお題> |
銀行強盗が成功しますように! |
その絵馬に書かれた願い事の、本当の意味とは? |

【スノーウィー神主のつぶやき】
こりゃ、通報対象?
「なんだこりゃ…これは犯行予告なの? それとも、おふざけ?」
それが、これを見たときの私の最初の反応でした。
それはそうでしょう。
犯罪をやろうとする前に、こんなにあからさまに情報を明かすなんて…。
ホントにやるなら、計画段階は『超こっそり』じゃないとダメでしょ!
ここでは銀行名を伏せておりますが、実際はちゃんと書いてありました。
そこにお賽銭や神社グッズの売り上げなどを預金しております。
強盗決行(予定)日は、『明後日あたり』と書いてありましたが、私は毎日絵馬を見て確認するのが日課で、この絵馬を見つけたのが金曜日でした。
となれば、『明後日』と書かれているので、それが翌週の月曜日だろうと見当もつきました。
一市民の責務として、また地域社会の中での神社の神主という立場としても、当然のこと、こういう情報は警察に伝えなければなりません。
知り合いのタマ吉警部のおられる『猫たま警察』に、念のため通報しておきました。
それにしてもです。
ふた昔前なら、不景気な年末には、金融機関強盗が恒例行事のようでしたが、銀行の構造、警備設備も発展して、いまや銀行そのものを襲うというのは、いかにも成功率が悪いような気がします。
私の弟(プリティ・スノーウィー)は、あのシャーローック・ホームズの宿敵であるモリアーティの一番弟子の大悪党で、色々悪さをしておるのですが、最近は銀行を直に狙うのではなく、やはりIT犯罪(ネットワークにハッキングして預金などを電子的に盗む)のほうに力を入れているようです。
ようするに、銀行強盗が『時代遅れの犯罪』であるうえに、このような絵馬を書いてしまう『うかつさ』。
そして、自分の能力で犯罪を成功させるという自信も自負もなく、神頼みをしてしまうという『だらしなさ』。
なにか…こう、相手が犯罪予備者とはいえ、
「しっかりしろ!」
と、激を飛ばしたい気分です。
その月曜日、私の通報に応えた『猫たま警察署』は、かなりの署員を潜伏させての厳戒態勢で、こっそり銀行を見張ることになったわけです。
もちろん、私も朝から神社のお仕事をほったらかしにして、巫女たちも全員引き連れて、お弁当も持参して、銀行の見える物陰に陣取って見物をしておりました。
珍しい大捕り物がみられるかも!
わくわく、わくわく…。
しかし、閉店時刻になっても銀行強盗は現れず、ついに犯行は行われませんでした。
やはり、ただのおふざけだったのか…。
猫たま警察の方々も、所在なさげに署に帰って行かれました。
私も巫女たちを引き連れて神社に戻りました。
あっ!
神社の賽銭箱が破壊され、社務所のガラスが割られ、お賽銭も神社グッズの売り上げも、グッズも全部、盗まれていました。
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