久々に尿路結石で救急車に乗る [4]
久々に尿路結石で救急車に乗る(4) |
私より5分か10分ほど先に、この病院に運ばれ、奇遇にも同じ尿路結石になってしまい、そのため検査を受けようとしているその男性を見て、私は自分が初めて結石で病院の緊急外来に搬送されたときのことを思い出した。 そう、初めては不安である。 点滴と座薬のダブル鎮痛剤で痛みは一応おさまっているものの、数時間前に初めて体験した激痛は恐怖のはずだ。 結石が尿路内に留まっているうちは、いつ激痛が襲ってくるかわからないのだ。 あ、そうじゃないか。 初心者である彼(私より少し年下)は、 『鎮痛剤で一時的に痛みが消えたのか、あるいは石の位置がずれて痛みが出ない場所に移動したのか、すでに結石が膀胱まで落ちたのか…などを区別する知識は、まだない。 検査後に、医師を診断受けて色々説明されるのだ。 だから、彼も彼の奥さんも不安げである。 当然だ。 初めての腰部(あるいは腹部)の激痛に、たまらず救急車を呼んだのだから、いちおう尿路結石でしょうと説明されていても、 「どうなるんだろう。どういう病気なんだろう」 と、不安なのが当然である。 この後、医師に質問し、ネットで色々調べるだろうけど。 そこで私は、検査待ちで隣り合わせで座っているご夫婦に、私の体験談を語った。 「医師が尿路に引っかかってるうちは痛いです。でも出れば、ケロリです。(重篤でなく、炎症も少なければだけど)」 「そうなんですか」 「ええ。私は2度目か3度目に救急車で運ばれて入院したときに、点滴も座薬も全然聞かなくて、注射でモルヒネみたいな鎮痛剤を打ってもらいました。それでも痛みが激しく、ある程度時間を空けて続けてもう一本」 「モルヒネ?」 「よくわからないけど、麻薬成分みたいなものらしいです」 「麻薬…」 「でも効かなくて、ナースコールして、もっと打ってくれ!と頼んだけど、規定が合って、そんなに連続で打てないと断られました」 「はぁ」 「骨折などの人がいる外科病室で、痛みがあるときは枕仁顔をうずめて唸り、痛みが引くと屋上でランニングや縄跳びをしていました。ベッドの横には2リットルのスポーツドリングを置き、飲み続けます」 「…」 「そしたら、そのうち膀胱まで石が落ちるんです」 「…」 「ところが男性の場合は、膀胱から小水とともに外部に排出するときに、あそこに石が引っかかることがあって、これが、微妙に聞い餅悪いんです」 「あそこって?」 「あそこです」 私の話をご夫婦で聞いておられたが、ご主人が呼ばれて診察室に入ったので、私の有意義な?話は中断された。 ん~、あの人、また救急車で運ばれていないだろうねぇ…。 |
(この話、おわり) |
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