【広島弁44】「きっぽ」 傷跡
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広島弁備後弁の女子言葉編 |
名文備後弁訳 編 |
広島弁(安芸~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座44
【きっぽ】 傷跡(やや盛り上がった傷跡)
まずは、漫画で、この言葉のイメージをつかんでくださいね。
そのあとで、解説があります。


【解説】
「おっ、頭に【きっぽ】があるのう」
と、中学生のころ、言い合ってました。
【きっぽ】は、【傷跡(私の感覚では、治っても、ちょっと盛り上がって傷が残っているようなもの)】のことなので、頭部の傷跡とは限らないし、中学生になったら傷跡が増えてしまうということではないのです。
当時(…大昔)、中学生になると丸刈りが校則でした。
信じられないような、時代錯誤!
と言いたいところですが、『そういう時代』でした。
まあ、在校中に、この馬鹿げた校則は、全校集会で葬り去られました。
悪法粉砕!
民主主義の勝利!
正義の鉄槌!
下からの改革!
パワハラ拒否!
(…大げさ)
つまり、やんちゃ盛りの園児~小学生のころは、遊びとか運動とか、いろいろなことで頭部にわりと大きな傷を負います。
しかし、そのときは坊主頭ではないので、それが見えなくなります。
ところが、中学生になると、男子は全員、校則で丸刈りになるから、そういう隠れていた、おぞましい【きっぽ】が、白日の下に!
過去に頭部に怪我をしてる当人も、そのことを忘れてたりするから、それを友達なんかに指摘されると、
「ええっ! きっぽ? うそじゃろ! カッコわりいのう。もてんようになるぅ~」
と悩み、丸刈りという人権無視の校則の理不尽さに気づき、
「この校則は廃止じゃあ~!」
と、わめきだすのです。
もちろん、人として、きわめて正しい反応!
社会科の授業で、『国民の権利』『個人の自由と尊厳』『表現の自由』とか教えるより、この『不条理丸刈り校則の悲劇』を実体験することのほうが、
「権利と不正とは、そういうことかぁ!!」
と、理解できるのでした。
すばらしい学習方法。
おそらく昔の教育関係者は、こういう理不尽な校則を『あえて』作っておくことで、生徒たちの自主的な学びと行動を期待したのでしょう。
(女子生徒には、ヘアースタイルとかスカート丈とかで)
いつの時代も、『校則は、拘束』、『大人は、姑息』。
それが、子供の感じ方。
ん?
子供だけじゃない?
そうそう、世の中には『社則』とか『条例』とか『法律』とかありましたねぇ。
そういう中に、『おかしげな』ものがあったら(…実際にあるんだが)、どうします?
昔なら、国会前に押し掛けたけど、今なら、Twitterで、つぶやくのかな…。
標準語 | 広島(備後)弁 |
---|---|
傷跡 | きっぽ |
<会話例1>
標準語 広島備後弁 |
---|
おお、こんなところに、傷跡があるじゃん。 ↓ おお、こんなとこに、きっぽがあるのう。 |
<会話例2>
標準語 広島備後弁 |
---|
あっ、目立つところにあった傷跡が消えてる。 ↓ あっ、目立つところにあったきっぽが消えとる。 |
それは、吉報だねぇ。 ↓ そりゃ、吉報じゃ。 |

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