結婚記念日旅行

<足湯>

「もし、オレがあのときパックスソフトニカと闘って、任天堂バレーボールの創作者として残ってたら、毎年、結婚記念日は、ハワイとか行けたかなぁ⋯(笑)」
と、私。
「正しく生きてきたんだから、いいのよ。きっと、いつか良いことあるでしょ」
「今さら? (笑)」

この滅多に話題にしない会話のとき、私と妻は、山梨のとある駅前の足湯に浸かっていた。
恒例の結婚記念日一泊温泉旅行の帰路であった。

この1年後、
『任天堂バレーボールの原作者さんですよね? 探してました』
と、ある人から、DMが来た。

それから、原作ゲーム『MSXアタックフォー』が復刻され、私が任天堂バレーボールの権利と名誉を奪われた顛末を書いた、
『バレーボールゲームをめぐる本当の物語』
を書くことができた。

妻の予言通りである。
ちょっと良いことがあった。

不思議な話でしょ?
何かの運命だと思ってます。




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2024年11月22日