つぶやき<005-07>ローマは一日にしてならず 7


ローマは一日にしてならず 7

彼(天才ワイルズ)は、その『知の暗い部屋』の中で、じっと『我慢する』。

我慢するのは、『証明したい』という熱意がそうさせるのだし、『なんとかなるはず』というそれまでの蓄積による自負と楽観がそうさせるのだ。

蓄積のない、本当の徒手空拳では、暗い部屋に百年いても、その困難な問題について何もできないことは言うまでもない。

じっと我慢しているゲームではないので、彼はそこで【とっかかり】を求めて半年試行錯誤の努力する。
すると『電灯のスイッチ』という【とっかかり】が見つかる、と言うのだ。

私が何を言いたいかというと、天才ワイルズでさえ、そうなのだから、(もちろん我々レベルの何かとは全く次元の違う話ではあるけれど)、
『誰でも新しいことをやろうとするときは、その最初の部屋の中は、真っ暗闇で当然!』
ということだ。

必要以上に落胆することもないし、すぐ諦める必要もない。
手探りで、部屋の中を探っていれば、なんとなく部屋の中の様子がわかってくるものらしい。

もちろん、運も努力も才能も役に立たず、闇から出られないこともあるだろう。
逆に、あっさり電灯のスイッチが見つかるかもしれない。

けれど、
『闇の中である程度の期間を我慢し、試行錯誤する』ことをしないと闇から出られない、というのが通常のパターンなんである。

それが『普通』だということだ。

もう一度言う。
それが『普通』なのだ。
普通でない、夢のような良い手段などない。

(つづく)

 

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2019年03月07日