つぶやき<005-08>ローマは一日にしてならず 8
ローマは一日にしてならず 8
世の中には、幼いころの私と同様に短気な性格で、思い違いをしている人がいて、 「あ、この部屋は真っ暗だ。闇だ。どうしようもない。や~めた」 と、あっさり部屋を出るんである。 (まあ、そのほうがいいときもあるんだろうけど…) 私が20歳頃に、最初のゲームを作ろうと思った時が、まさにこれだった。 (ワイルズとはレベルが異次元的に違うけど)) 何も情報がないから、誰に何を訊くこともできない。 というか、先行してゲームを作っているらしい数少ない誰かが、どこにいるのかもわからない。 まず、自分が何をわかってないのか、自分がゲーム開発という世界のどこにいるのかもわからない。 そもそも、自分が何をわかってないのかがわからないのだから、誰かに何を訊いたらよいのか、何を知るべきなのか、そういうことさえさっぱりわからない、のである。 悲惨といえば、こんな悲惨なことはない。 暗闇の中である。 て、いくつかの暗闇の部屋を経由して、私はゲーム作りができるようになった。 ワイルズと同じように、時間をかけて手探りで部屋の様子を理解し、電灯のスイッチを見つけ、『真っ暗な部屋』から、抜けたわけである。 (つづく) |
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