つぶやき<002-2>失うということ 2
失うということ 2
『その女優は、年々美貌と若さを失っていった』 は、どうだろう? 【若さ】に関しては生命体の運命として100%正しいが、【美貌】に関しては人の好みでしかない。 よって、『美貌を失う』ためには、その女優は【誰もが美人だ!】と思っているという前提がなければならない。 誰もが…という前提は成立しない。好みは人によるのだし。 ん? そもそも、彼女は【女優】なのか? 数本の映画に脇役で出ただけで、当人が勝手に女優気取りになっているだけなのでは? 生きていると、我々はいろいろなものを失う。 失ったと思っているものは、実際にそれまでホントに、【持って】いたのか? 今、得たと思っているものは、実際に【得て】いるのか? 長く生きていると、 「私は今、確実になにを持っているのか?」 を、多少考えることになる。 年齢を重ねると、新たに得るものは少なくなり、失うものばかり増える。 そして、失ったものについては、 「そんなものは、もともとなかったんじゃなかろうか?」 とか、考えたりするわけだ。 失ったと思っているものが、実際はもともと無かったとしたら、今、持っていると思っているものも、実際はありもしないものじゃなかろうか? まあ、それはそれで気が楽ではある。 もともと無かったものなら、それを失う恐れは、まったくないのだし…。 (このテーマ 完) |
<--前 | Home | 一覧 | 次--> |
<スポンサーリンク>